長寿になる為の下地の時期です。幼少期から2歳頃までの時期に、いかに良質な成長をしてきたかが大切です。犬の寿命は人間の6分の1程度ですから、サイクルが速く、悪い生活習慣はあっという間に悪い体質を作り、それがベースとなってしまいます。長寿を考えた時、犬も人間と同じで肥満があらゆる病気の元です。特にフレンチブルドッグは肥満からくる間接のトラブルやヘルニアなどを起こりやすい犬種ですが、運動量と食事量のバランスがとれていれば太りすぎになることはありません。
ご飯の適量は個体差やその子の運動量によっても違います。ドッグフードのパッケージの説明に体重に対する適量が書いてありますが、これもあくまで目安としてください。毎日管理している飼い主が状態を見極めて年齢や状態に対する適量を決めるようにしましょう。また、1歳を目安に、子犬用~成犬用にドッグフードの切り替え時期でもあります。新しく変えたドッグフードが愛犬に合うか合わないかは、1か月以上使わないと判断できないということも覚えておきましょう。
お留守番について
この時期くらいを目安にお留守番がちゃんと出来る子に育てるのも大事なことです。可愛さから溺愛して甘やかし過ぎてしまう飼い主さんの気持ちは重々わかりますが、度合いによっては分離不安になる可能性もあります。飼い主さんと離れた途端、息遣いが荒くなり、よだれを垂らす、泣き叫ぶ、食事を拒否する、トイレをしない、これらは分離不安からくるものです。
生涯、飼い主さんと離れる時が無いのでしたら構わないのですが、入院したり、ペットホテルなどに預けなくてはならない時が来るかもしれません。飼い主さんと離れられないような子ですと、預かる側にとっても大変心配です。場合によっては預かりを断られる事もあります。また、愛犬を預ける事になれば、クレートに入れられることが多いので、有事の際に安心して預けられるように日頃からトレーニングしておくことが大切です。
コミュニケーションについて
欧米人はしつけが上手いと言われていますが、日本人と何が違うかと言えば、感情の表し方が上手いのです。欧米人は、頭で犬と向き合うのではなく、ハートで向き合います。回りくどい事は考えず、可愛く思えた時、良いことをした時はベタベタに褒めてあげ、ルールを守らない時や、犬にとって良くないと感じた事については、しっかりと叱り、不快感を出して、明確に犬に知らせます。そのようなメリハリと、自然な感情表現が飼い主と犬の関係を良くするのです。
また、欧米人は犬にたくさん話かけます。何でもないような言葉で構いません。
犬にとっては、自分が常に主人の意中にいると感じ、飼い主の言葉に耳を傾けるようになります。飼い主が事務的でクールな場合、飼われている犬は感情が薄いか、逆に興奮時のコントロールが苦手です。しつけの観点からすれば、甘やかし過ぎたり、ベタベタし過ぎたりする事が必ずしも良い事ではないですが「常に飼い主さんの意中にいる」ことで信頼関係を築くことができます。
愛犬目線で考えてみる
勘違いや思い込みで、自分の愛犬のキャラクターを勝手に飼い主が決めてしまっている場合があります。例えば、やんちゃで攻撃的だと思い込んでいる子は、実は臆病でシャイな性格からくる別の原因があったり、アレルギー体質で食事制限している子が、実は原因が食事ではなかったり。なぜそういう勘違いが起こるかと言いますと、我が子に対して、冷静かつ客観的な観察が出来ていないからです。
犬にとって、自分を理解してもらえない寂しさは人間が思うより耐えがたく、理解されないから問題行動で知らせるわけです。犬が人によって態度を変えたりするのは、理解者と、そうではない人との区別なのかもしれません。相手を全て理解することは簡単な事ではありません。しかし、犬にとっては飼い主が全てです。犬は多くを望んでいません。寂しい想いをしたくないだけです。
多動傾向、興奮しやすい原因について
勘違いしやすい例としてよくあるのは、多動傾向が強く、興奮しやすい子の場合です。生まれ持った気質、躾の問題など、様々な原因も考えられますが、日常的にストレスがかかっていて、安定しない振る舞いをしてしまうケースが多々あります。改善されると見違えるくらい落ち着いて、顔つきまで変わります。まずは肉体的な欲求は満たされているか考えてみてください。食事は足りているか、運動不足になっていないか、成熟したオスの場合は発情の問題もあります。過度の食事と運動はいけませんが、年齢に合わせた最適な量を心がけてください。足りていないと粗暴な行動になりがちです。
成熟したオスの場合は発情期のメスに近づけないことも気にかけてあげてください。また、スキンシップ不足や、寂しさから興奮しやすくなってしまう場合があります。家族と接する時間が少なくなった、寝床が移動した、新しい犬が来た、家族に子供が増えたなどです。環境の変化によってストレスを感じると、テンションが安定しなくなり、飼い主さんへの当てつけのような態度を示す子がいます。環境の変化に慣れてもらうしか無いのですが、犬が増えた場合は、先住犬への気遣いを忘れないであげてください。そして、毎日たっぷりとスキンシップをとってあげてください。
食欲不振の原因について
他にも食欲不振の原因を勘違いをしている場合があります。体調不良などの肉体的な問題とは別に、食欲不振の大きな要因にストレスがあります。運動不足でストレスが蓄積されてくると食べなくなりますし、逆に遊び過ぎでの疲労状態や興奮したあとでも食欲不振になります。また、環境の問題で熟睡時間が足りていなくても、食欲が安定しなくなります。さらに飼い主が食欲不振を改善したい気持ちからの食事プレッシャーです。
飼い主は誰もが沢山食べて欲しいと思っていて、ペロリと完食してくれたら、とても嬉しいものです。しかし、勢いよく食べていないと、食べるように声をかけ、見張り、トッピングを追加し、長時間食器を置いたままにしがちです。なんとか食べさせたいという意識が集中してしまい、その思いがプレッシャーになってしまうのです。持って生まれた神経の太さも関係ありますが、飼い主さんが食べない子にしてしまっている事もありますので気をつけましょう。